中1(小6)投資家の企業分析記

投資の芽を育てる企業分析記

【企画】ニデック株式会社① ~粉飾決算の兆候は決算書に現れていたのか~

今回は日本政府の財政分析に続いて、企画第二弾ということで最近話題のニデック株式会社、言わずと知れたモーター世界大手の企業です。ここが粉飾決算で今、大きな批判を浴びていますが、ニュースで見た報告書だと「創業者の意向を重視し…」と何かふんわりしていましたし、結局なにで粉飾をしたのか、わからないことが多かったので、兆候が分かればすべて腑に落ちるんじゃないかと思い、この記事を書くにあたりました。

このブログは「企業分析」ですので、決算書を読み解いて不自然な点を探っていこうと思います。ただ不正会計分野は初めてですので、ClaudeというAIと共同で作りました。

 

事件の経緯

まずは何があったのか、分からないと意味がありませんので、時系列を整理します。

この中で、投資家として「これは株主に対してどうなんだ」と思ったのは過去最高益の発表から数か月後に次々と子会社で不正が発覚した挙句、監査法人が意見を表明しないと発表し、最高益が記録された財務諸表の信頼性が怪しまれているところです。しかも連続増配も発表していますから、それを信じて購入した投資家も大勢いると思います。その信頼を裏切るのは、いくらなんでも上場企業としてどうなのか、と考えます。

さて、本題に戻りまして「この信じられない粉飾決算の兆候はあったのか」これを財務諸表から見ていこうと思います。

 

兆候①-営業利益率の乱高下

色々調べてみますと、粉飾決算を調べるうえで最初に確認するべき指標は営業利益率の推移とのことです。正常な企業は比較的滑らかに推移するらしいのですが、(それは私の企業分析でもよくわかります)粉飾企業は乱高下が多く、会計操作の証拠となるらしいです。

ニデックの営業利益率はご覧のように乱高下が非常に多いです。

23年の急落理由

ニデック側として「中国EV市場の競争激化と部品需要の低迷」と発表していましたが、第三者委員会によりますと「経営陣が分かっていながら資産評価を減らす時期を意図的に決めていた」としています。

25年の急騰理由

これが問題の過去最高益のものですが、ニデック側は「データセンター需要が高く、74回のM&Aで事業内容が変わってきている」と説明していますが、第三者委員会は「費用計上を先送りしたり、来期の売上を今期に計上して、来期の売上をマイナスする手法を使った」と発表しています。

いずれにしても、これらは意図的かつ悪質ですね。なぜかは分かりませんけど、簿記を学んでいるとこういった粉飾決算は許せないんですよね…簿記を学ぶ前なんて、こんなニュースは注目してませんでしたし。

 

兆候②-帳簿と現実の乖離

まだまだ粉飾の兆候を探す方法はありまして、それは「アクルーアル分析」というものです。私は初め分かりませんでしたが、簡単に言うと帳簿上の利益と入ってくるキャッシュがどれだけ一致しているか、というものです。当たり前ですが、正常企業だと二つの動きはある程度一致しますが、一致しない企業は掛け取引(売掛金とか、買掛金・手形などのやつです)のし過ぎや粉飾決算をしているかの二択なんじゃないかと思います。

中でも一番驚くのは、24年の約2倍の違いですね。「26年上半期はどうなんだ」という疑問を持つ方もいると思いますので、説明しておきますが営業利益は売上から仕入代と販売費用と管理費用を差し引いたものですので、粉飾決算が発覚したらおそらく特別損失で、いままで先送りにした費用を計上しなければいけないのですが、特損は営業利益に反映されないただ入ってくるお金には影響してくる、だからここまで乖離しているんだと思います。

2倍の違いに戻りまして、キャッシュフロー計算書というお金の流れが分かる財務諸表を見ると棚卸資産や営業債務、これが大きく変わっています。これらは純利益から現金が出ていかない費用を足すところに表示されているものです。おそらく本来計上すべきものを先送りして、段階的に費用計上しているから、こうなるんだと思います。

 

終わりに ~一時中断~

他にも兆候はいくつかあるんですけど、全て1記事で紹介するのは非常に難しいですし、いつもより内容が暗いですし、私自身いつもより難解だと感じています。皆さんも私も飽きてくると思います。ですので何記事かに分けてお送りします。ただ連続してニデックをお送りすると「企業分析記」ではなくなってしまいますので、ところどころニデックを企業分析記事に挟んでいく形でお送りしようと思います。

出典

決算短信・決算説明資料 | ニデック株式会社
26年1月号 【会社四季報】【雑誌】

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