
この企業が提供している製品は、この世に「製造業」が存在し続ける限り、その安全担保のために必要とされるものです。
この記事では、短期的な株価変動や短期的な投資指標そのものを重点とするのではなく、なぜこの企業やその製品が長期的に選ばれ続けているのか、
そしてその需要をどのように維持しているのか、
その上でどんな課題点があるのか、を中心に整理します。
なお、財務指標や業界平均との比較については、
その事業の強さや持続性を確認するための補足材料として用います。
※これは特定の投資商品購入を推奨するものではありません。ご購入の判断は自己責任でお願いします。
・基本情報(事業内容等)
株式会社キーエンスは「FAセンサー」と「画像処理システム」で世界トップクラスのシェアを誇り、年間売上高1兆円規模の大企業です。
FAセンサーとは
製造の過程で物理的な変化を検出して、それを記号にして担当者に送ることで製造制御や管理を可能にするもので、全産業の約90%の企業に導入されているとキーエンスが公表しています。
画像処理システムとは
高速で処理する高性能カメラで、傷などを探して素早く不良品を探すことで、手作業を省くことで効率化するもので、主に自動車産業に導入されていそうなPRをしています。
キーエンスの強み ~自社工場を持たない~
会社四季報の特色欄に「国内工場軸に外注」という文字があり、それは効率的な生産が出来ず、不利なんじゃないかなと思ったのでなぜキーエンスは外注を軸にしているのか強みを調べました。
それは、商品の特性とマッチした技術・生産ラインを持つ工場を柔軟で自由に選択できて、国際情勢等の変化の影響も少ないです。だから付加価値の高い商品を大量生産することが可能らしいです。また自社工場を持つと、新商品を製造すると工程の組みなおしが必要になってしまう、それが生産性の悪化やコスト高を招いて、体制を意識するあまりに柔軟な企画ができないという欠点を回避できる点もあるとのことです。
・選定理由
営業利益率&業績の伸びと今後の需要
精密機器企業の平均営業利益率10~15%に比べキーエンスは51.9%と数倍となっています。おそらく自社工場を持たないことで、維持費も減価償却費(設備投資をする際に、やったときに全部費用計上するのではなく、いったん資産に計上して1年ずつ費用計上していく)もかからないし建設等の巨額投資が回避できることで別のことに投資できます。また直販体制という代理店を通さずに、顧客へ直接販売するものを構築しているので代理店に手数料を払わずに済むのでここまで高いんだと考えます。
また精密機器企業の業績4指標は近年数%の下落は数回あるものの堅調に伸びていますが、過去に9割下落したこともあり、長期的に見れば何かの経済ショックで業績がそれなれりに傾くリスクも頭に入れておく必要があるということです。
財政健全性&株主還元政策
自己資本比率も同業他社平均が50%付近なのに対して、ユーザーローカルは96.1%%と大幅に上回っていて、有利子負債も0です。
当座比率という短期支払能力を表す指標は約1290%で、目安の100%を大きく上回っており、固定比率という長期的な財務安定性を表す指標は51.7%と、優良基準の100%以下を達成しています。
当座比率が異常に高いのは、借入金が少なく50%前後の営業利益率を背景に莫大なキャッシュがあるので、異常値が出たんだと推測できます。にもかかわらず、固定比率が意外と51%前後に留まったのは、前述した通り自社工場を持たないので固定資産が少なく、分子が小さいからこうなったんだと考えられます。
株主還元政策は安定配当を維持しつつ、将来の事業発展のための内部留保を確保すると発表されています。
・財務諸表のポイント
1.営業利益率30%以上…50%付近で余裕の達成
2.自己資本比率80%以上…96.1%で達成
3.有利子負債0…0で達成
4.ROE15%以上…13.5%で下回る。
5.ROA10%以上…12.1%で達成
6.営業CFが黒字…4095億円で黒字
7.業績が右肩上がり…浮き沈みはあるものの、中期で見れば右肩上がり
8.現金同等物が営業CFの2~3倍…ほぼ同水準
中期経営計画について
キーエンスは中期経営計画を発表していません。理由として、短期的な数字に縛られず、顧客基盤と商品開発に集中するという狙いがありそうだなと感じます。
まとめ
株式会社キーエンスは精密機器企業なのにもかかわらず、自社工場を持たない体制を構築しており、それによって他社とは違う柔軟性やコスト削減などの利点があり、直販システムを構築していて、代理店に手数料を取られないという大きな強みがあるビジネスモデルを有しています。それが高い営業利益率に反映されていて、それによって良好な財政状態を維持できているんじゃないかなと考えています。少し脱線しますが、じゃあなんで、営業CFと現金同等物がほぼ同水準なのか気になって調べましたが、有価証券の購入に充てていてPLにも投資利益が計上されているので、近年の株高基調が下がっていったらキーエンスの財政状態や経営状態も少しずつ悪くなっていく可能性もあります。ただ資産の流動性はピカ一なので市場がだめになっても長期的に見れば、成長の一つの過程になりそうなのであまり有価証券のことは気にしなくてもいいかもしれません。配当利回りは1%未満で、これから成熟期に入って還元を増やしていきそうなことを考えると、今すぐにというわけではありませんが、十分投資対象に値すると考えました。
出典&アフィリエイト
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いつも愛読させて頂いておりますので、ご紹介させてください。
私は、会社四季報で営業利益率が20~30%以上,自己資本比率が80%以上の
企業に目星をつけて、そこから「この会社は業績が長期で右肩上がりかな?」「シェア率はどのくらいかな?」などをPCで検索しています。
気軽にパラパラとめくるだけで、1社は候補が見つかります。
そのうえで、正しく投資をすればもとはとれます(私自身、会社四季報を参考にさせて頂いて、個別株で約10%で運用させていただいておりますので)








