
この企業が提供しているサービスは、この世に「質の高いM&Aの需要」が発生し続ける限り、それに応えるために必要とされるものです。
この記事では、短期的な株価変動や短期的な投資指標そのものを重点とするのではなく、なぜこの企業やその製品が長期的に選ばれ続けているのか、
そしてその需要をどのように維持・拡大しているのか、
その上でどんな課題点があるのか、を中心に整理します。
なお、財務指標や業界平均との比較については、
その事業の強さや持続性を確認するための補足材料として用います。
※これは特定の投資商品購入を推奨するものではありません。ご購入等に関するご判断等は自己責任でお願いを致します。
※CVP分析は売上原価を変動費、販売費及び一般管理費を固定費とみなします。
①の記事↓
vuv-kigyobunseki.hatenadiary.jp
財政健全性

自己資本比率は同業他社平均が80%付近と業界全体で見ても高いですが、ストライクは85%前後と上回っており、有利子負債も0で無借金経営をしています。
当座比率という短期支払能力を表す指標は約630%で、目安の100%を大きく上回っており、固定比率という長期的な財務安定性を表す指標は約20%と、優良基準の100%以下を達成しています。理由としては現金同等物が非常に多く、無借金経営をしていています。また利益の蓄積が大きく、設備を持たないビジネスモデルなので、この数値が出たのかなと思います。
お金の使い道

ここまでキャッシュが溜まっているのは成長投資をしたくない企業なのかと思いました。そこでキャッシュフロー計算書というお金の使い道を明らかにする財務諸表の一部を見ていこうと思います。

左の数字が前期、右の数字が当期の数値です。
なんだかお堅い表ですが、小さい項目は「有形固定資産取得による支出」「配当金の支払額」の2つだけを、大きい項目は「投資活動によるCF」「財務活動によるCF」の白いところを見てください。
有形固定資産取得による支出と投資CF
これは設備投資をどれくらいしたかが分かります。ストライクの場合はパソコンやコピー機、営業車などを購入して効率化に取り組んでいるかが分かります。
なんと3分の1ほどまで縮小しています。ここ3年間のB/Sの有形固定資産を見ましたら建物の取得や備品(パソコンや机など)の取得が1主要項目あたり約1億円ずつ縮小されていました。大きい項目の投資活動によるCFも約3分の1の縮小です。これ以上の事業拡大が厳しいという事でしょうか。
配当金の支払額と財務CF
これは文字通り株主にどれだけ配当金を支払ったかを示すものです。
これに関しては、なんと約2倍に膨れ上がっています。財務活動によるCFも約2倍です。この二つで判断するとストライクの経営陣は「もう事業拡大をすることは厳しくなってきた。よし、じゃあ株主へ還元しよう」という方向にかじを切っているんじゃないかという事が分かります。
株主還元政策とCVP分析

ストライクのHPによると「株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題として位置づけ、(中略)配当性向は当期純利益の概ね35%を目安とする方針であります。」としています。配当利回りは4%台で高配当と言える水準です。
じゃあなぜ、配当金の支払額が倍になってここまで高配当かと言うと、25年度から倍近く増配したんです。ストライク側もこの高配当は数年間でやめると言っています。
現在の配当性向は7割ほどと配当性向目安としている35%の倍なので、少なくともこれがずっと続くとは思わない方がいいと思います。
続いてCVP分析なんですが、まずそれってなんぞやと思う方が大半だと思いますので、説明します。CVP分析とは簿記2級の一つの論点で経営判断に必要な数値を求めるためのものです。これで学んだことを企業分析にも生かそうと思ったので、今回取り入れます。計算過程は誰も興味がないと思うので、当座比率を紹介するやり方でこちらもお伝えします。

損益分岐点売上高(これだけ売上を出せばトントンだよ)という指標は約95.2億円です。つまり、95.2億円売上さえすれば次の1円から黒字になっていくということです。
これだけわかっても「で、結局今の売上よりどのくらい落ちればトントンなの?」と思う方がいると思いますので、それがわかる「安全余裕率」と言う指標を計算してみました。それは約51.3%でした。要は「5割売上が落ちてもまだギリギリ黒字だよ」ということです。かなり余裕がありますよね。
こうなった理由は、固定費に対しての売上が大きすぎたり、原価のブレが少ない業種だからじゃないかと考察できます。
・財務諸表のポイント
1.営業利益率30%以上…35%程度達成
2.自己資本比率80%以上…85%付近で達成
3.有利子負債0…0で達成
4.ROE15%以上…30%程度で余裕の達成
5.ROA10%以上…26%程度で余裕の達成
6.営業CFが黒字…40億円付近で黒字
7.業績が右肩上がり…数年下がりはあるが、中長期で見れば右肩上がり
8.現金同等物が営業CFの2~3倍…3倍程度で達成
まとめ
株式会社ストライクは国家課題の中小企業後継者問題を解決する手段の一つであるM&Aで中堅・上位の地位を確立しており、顧客のニーズをばっちりとらえています。具体的には、公認会計士や金融機関出身者が業務を担当することで高品質と高い信頼性を売りとしている点。他にも経営者の事業承継費用で倒れるという懸念を取り除くために契約までは無料としていて、M&A以外の必要なコンサルも行う事で抱え込み戦略で、質のいい顧客を集めています。ただ、同業他社より利益率が低かったり、24年に減益がある、成長投資が足りないなど成長鈍化の点が見えてきましたが、長期的に見たら更に需要は増えるから、成長しないことはないですが、同業他社よりは成長力に欠けるのかな、とも感じました。
今回の細かい分析を通して、私が基準としているものの弱点も認識できた非常に有意義なものとなりました。
出典&アフィリエイト
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会社四季報 2026年2集 春号 2026年 4月号 [雑誌]
いつも愛読させて頂いておりますので、ご紹介させてください。
私は、会社四季報で財務諸表のポイントをかなり満たしている
企業に目星をつけて、分析を行っています。
気軽にパラパラとめくるだけで、1社は候補が見つかります。
そのうえで、正しく投資をすればもとはとれます(私自身、会社四季報を参考にさせて頂いて、個別株で約15%で運用させていただいておりますので)